登場人物の紹介
野保 康久（のぼ やすひさ）
実家のお寺を継ぐ為に仏教大学に通う大学２年生。
前アパートが火事になったことで訳あり物件を探し今のアパートに引っ越し、そこに住みついていた幽霊のカノジョと知り合います。
恋愛にはかなり鈍感で、金城さんからの猛アタックにも気付かないほどです。
カノジョ
野保君のアパートに住みついている幽霊です。
料理や家事が上手だが人見知りで、笑うと地震のように部屋を揺らしてしまう。
金城 あかり（かねしろ あかり）
野保君と同じアパートに住む女性で、前アパートの火事の際に野保君に命を救われてから、恩返しに執念を燃やし、毎日料理を持って行くのです。
いつの間にか野保君に恋心を抱き、料理やお菓子を毎日持って行き猛アタックします。
千夏（ちなつ）
野保君の従姉妹の高校３年生です。
野保君の事がお兄ちゃんとして大好きで、ずっとカノジョに対抗心を持っています。
野保 明善（のぼ あきよし）
野保君の父親であり、除霊界では名の知れた住職である。
普段は、檀家さんから車を安くで購入しますが、それが母親にバレて怒られ、家から追い出されるなど、少しお茶目なところある。
初めて野保君の家に訪れた時にカノジョの存在には気付くが、知らないふりをして二人を陰ながら支えます。
『のぼさんとかのじょ』のあらすじ
超が付くほどの天然で真っ直ぐな野保君と幽霊ではありながら料理も家事もこなすしっかり者のカノジョ、カノジョは幽霊なのでもちろん姿は見えません。
しかし、野保君の買ってきたホワイトボードで二人はやり取りをするのです。
カノジョは幽霊になる以前の記憶を無くしてしまっていますが、野保君の生活の中で少しずつ記憶を取り戻すのです。
カノジョはどうして幽霊になってしまったのか、野保君はカノジョを救うことができるのか、二人の恋の行方も楽しみながら一気に読んでしまいます。
『のぼさんとかのじょ』のラスト・結末
カノジョが記憶を取り戻し、何と8年前に事故に遭い、病院で眠っていることを知ります。
カノジョの魂をどうすれば病院で眠っているカノジョに戻すことが出来るのか、住職をしている野保君の父親を呼びますがなかなか策が見つかりません。
そんな中、カノジョが金城さんに「もし自分が元の体に戻ることが出来ても側にいられない」と伝え、金城さんに野保君を支えて欲しいと伝えます。
そのことで金城さんと口論になった末、カノジョが金城さんの中に入ってしまうのです。
そのままカノジョの入院している病院に行き、何とか魂を戻そうとする中、野保君の父親が「キス」をして魂を戻すことを提案するのです。
その後、無事に魂はカノジョの体に戻り、入院中はカノジョの必死のリハビリもあり無事に退院の日を迎えます。
そして退院のお祝いをするのはもちろん二人がずっと一緒にいたあのアパートで皆が待っているのです。
しえりの素顔は？
野保君の家に住みついていたカノジョは、以前にここに住んでいた榊さんの娘だったのです。
しえりは両親が離婚しており、母親に引き取られ、榊さんとは離ればなれになってしまいます。
そしてその後母親の再婚相手から辛く当たられ、その苦痛を和らげる為に榊さんのアパートに行っては、家事や料理をするのです。
しかし、それが父親にバレてしまい、榊からもここには来ないように言われてしまいます。
そのショックでアパートから逃げる時に事故に遭い、病院に運ばれますが、魂だけが榊のアパートに残ってしまうのです。
しかし、事故に遭ったことも自分が幽霊になったことも分からず、父親がいるはずのアパートに他人が入ってくることに驚き、物を投げて追い出すのですが、いつしか自分に気付いてほしいと感じるようになるのです。
そして野保君と出会うのです。
記憶は無くなってしまうのですが、大好きだった家事と料理は覚えており、野保君に得意な料理を振る舞うのです。
『のぼさんとかのじょ』の感想
カノジョは幽霊ではありますが、本当にそこにいるかのように描かれており、漫画を読むにつれて本当にホワイトボードであるはずのカノジョが見えるような気になります。
カノジョに尻に敷かれる野保君や、同じマンションの金城さんとのやり取り、とても鈍感な野保君にいつも振り回される大学の友人とのやり取りもどれも本当に面白いです。
野保君と二人のやり取りももちろん可愛いのですが、二人を支えている周りも本当に素敵な人が多く、一人一人の優しさに読んでいて温かい気持ちになります。
カノジョの記憶が戻ってからも、カノジョの魂を何とか体に戻そうと全員で必死に策を練り、全員で野保君を助け、カノジョを元に戻そうとする姿、そして自分が元に戻ったとしても野保君に迷惑がかかってしまうからと身を引こうとする気持ちにも心打たれます。
