つわりがひどくて気分転換をしようと、スーパーに買い物に出かけた美和。
お菓子売り場で小さい女の子がママと一緒にお菓子を選んでる姿を見て、ほっこりしてしまうのでした。
そんな中、「こら!待ちなさい!」
男の子が勝手にお菓子を開封してしまい、母親から逃げる姿を目撃してしまうのです。
(すごく疲れてるみたい。男の子って大変だな・・・)
そんな時にまわりのお客さんから聞こえてきたのは、
「あの子って幼稚園でもあんな感じなんだって」
「発達障害らしいわよ」
という言葉だったのでした。
夫はグレーゾーン【12巻】ネタバレ
「発達障害らしいわよ」という言葉が頭から抜けず、そのまま動けなかった美和。
女性たちの会話はつづき、
「お父さんもヘンな人だったじゃん」
「そういうのって遺伝するんだね~」
と言ったあと、
「どうしてあんな男と結婚するんだろうね」
美和を知らない女性たちは、美和を馬鹿にするような発言を繰り返したのでした。
これまでの美和なら、絶対に怒りだしていた場面。
でも、頑張って父親になろうとしてる姿を見ていたおかげで、
「優斗はグレーゾーンだし大丈夫」
「私は優斗を愛している」
冷静でいられたのでした。
一方で、仕事中の美和の母親。
かかってきた電話に出ると、
「おい恵子か?」
「やっとつながった」
声を聞いた瞬間に、会わないように逃げている元夫だと気付いたのでした。
恐怖ですぐに電話を切るも、2回目の電話も出てしまったのです。
元夫から電話がかかってきた。とは言えずに、
「本日はどのようなご用件でしょうか?」
普通に受け答えしてしまった美和の母親。
そう言ってしまったせいで、
「久しぶりに会いたいと思ってさ」
元夫の用件を聞いてしまうのです。
そのあと、しばらく無言になったあと、「もう2度と近づかないって約束したでしょ」
ちいさな声でしゃべってると、
「大丈夫?トラブルなら代わろうか?」
母親は会社の上司に心配されてしまったのです。
(会社に迷惑はかけれない)そう思って、「いいえ、大丈夫です」
会社の上司にそう伝えたあと、「ご都合の良い日をお伺いします」
元夫に会うことを約束してしまったのでした。
(美和だけには会わせないようにしないと・・・)
自分はどんな目にあってでも、美和だけは守ろうと強く決意したのでした。
一方で、みんなの助けもあって、順調に仕事をこなしていた優斗。
和気あいあいとした雰囲気の中で仕事をしていた時、
「大変です!お客様が取引を中止するって怒ってます!」
電話を受けた同僚が大きな声で言ったのです。
(この案件は上川か・・・)血相を変えて優斗のデスクへ向かう上司。
「先方は見積もり書を朝1番で送ってほしいと言ったと言ってるが、どうなんだ?」
優斗に確認してみると、
「そんな電話は受けてません!」
「メモだってありません!」
不機嫌そうにそうに言うのです。
でも、普段から片付いていない優斗の机の下の奥の方に、優斗が自分で書いたメモが落ちていたのでした。
(先方にはミスがない。悪いのはうちの会社だ。)
取引先に謝罪するために出かける準備をする上司。
自分のミスだとわかって、少しでも何かを手伝いたい優斗が
「お、俺は何をしたら・・・」と言うも、
「おまえは何もしないでくれ・・・」
これ以上、被害が大きくなるのが目に見えた上司は(信じた俺が馬鹿だった)という目で見たあと、会社を出て行くのでした。
(また上川さんがミスした)
(せっかくみんなで仕事をフォローしてあげていたのに・・・)
優斗に一斉に浴びせられる冷たい視線。
そんな状況で頭の中がぐるぐる回っておかしくなってしまった優斗。
「見積もりは出来てるんだし、ちょっとくらい遅れただけじゃないですか!」
「なんでそんなに大袈裟にさわぐんですか!」
大きな声を出してしまうのです。
「それが仕事というもんなんだよ、上川・・・」
見下している白井さんにそう言われて、
「もう、面倒くさいな」
「おれ、仕事辞めます!」
優斗は乱暴にカバンを持って、会社を出て行ってしまうのだった。