体調が悪いと思っていたところで吐き気に襲われた美和。
(もしかして・・・)
優斗の子供を妊娠したのではないか?と思うのでした。
本来なら「嬉しい」という気持ちになるはずなのに、
(発達障害も遺伝してしまう)
ということだけが頭に浮かんできてしまって、素直に喜べないのでした。
夫はグレーゾーン【10巻】ネタバレ
妊娠検査薬を買いに行く途中、公園で小さい男の子が遊んでるのを見た美和。
母親は子供と一緒にいて、父親はベンチに座っていたのでした。
親子3人で公園に遊びにくる親子の姿を見て、
(私も子供ができたらあんな風に幸せになれるかな…)
自分の家族像を想像するのでした。
笑顔で子供を見つめていたその時、
「こら!なんで言うこと聞かないの!」
子供が走り出したあとに、転んでしまったのです。
服が砂で汚れ、大泣きしてしまった子供。
「もう!!」
「いいかげんにしてよ!!」
自分の子供に対して本気で怒ってる母親と、ベンチに座ったままの父親。
(どうして自分の子供が怒られて泣いてるのに無視してるの?)
もしかしたら優斗も自分の子供ができても、可愛がらずに無視してしまうのではないか?
美和は不安に襲われてしまうのでした。
会社ではいつも通りに仕事をしていた優斗。
普通にこなせる仕事と、やっぱり出来なくて失敗する仕事がありました。
その姿を見ていた上司は
(そういえばアイツ、自分で「発達障害じゃない」って言ってたよな)
(どうしてそんな言葉を知ってるんだろうか…)
(本人に聞いてみるか)
仕事が終わってから優斗に直接確認してみることにしたのです。
帰っていく優斗を引き留めた上司。
言いづらそうに
「そ、その、、、」
「失礼なことをこれから聞くが…」
「発達障害の診断を受けたことはあるのか?」
聞いてみたのでした。
突然、そんなことを聞かれて、不機嫌な顔をする優斗。
「病院へは行きました」
「ハッキリ診断できる状態ではなく、グレーゾーンだと言われました」
「だから僕は普通なんです!」
自分は発達障害ではないと、興奮しながら強く訴えるのです。
「じゃあ、お先に失礼します!」
そう言ったあと、足早に去っていく優斗。
(はぁっ・・・)
(俺はどうすればいいんだよ…)
(発達障害ではないと言うし、正社員だし、判断が難しいよ…)
そう思ってる時に、
「ねぇ、あの人なの?」
この前、優斗の部署の異動先を相談していた人事部の社員が一部始終を見ていたのでした。
「何か問題を起こしたら、すぐに報告してよね!」
「そういう人間は不要よ!」
上司に優斗をしっかり監視するように強く言ってきたのでした。
優斗のことを考えながらオフィスに戻った上司。白井さんが優斗の散らかってるデスクの上を整理整頓していたのでした。
「お前は優しいな」
そう言われると、
「みんなが迷惑しますからね」
照れくさそうに言ってくるのです。
「この前、提案してくれた異動の件はダメみたいだ」
「上川に聞いてみたんだが、あいつはグレーゾーンと診断されたそうだ」
「なぁ、白井。あいつはここで仕事をやっていけるだろうか?」
信頼してる白井に聞いてみる上司。
「まわりが理解してあげて、サポートしてあげれば大丈夫だと思います」
白井はこの前ケンカしたとは思えない優しい考えを持っていたのでした。
夫はグレーゾーン【10巻】感想と考察
数日前に「息子さんは自閉症なんでしょ!」
と優斗に言われて、別人みたいに怒った白井さん。
でも、会社では優斗を1番やさしく見守ってくれる温かい人。
優斗をカバーしてあげるシーンを見ただけで、優しい気持ちになれた「夫はグレーゾーン10巻」でした。
そして10巻の後半では、美和が妊娠してることが判明。
(優斗が知った時の反応が怖い・・・)
そう思ってた時に優斗が帰宅。
「大事な話しがあるから聞いて」
「赤ちゃん出来たみたいなの」
美和が妊娠したと聞いた瞬間に驚いて食器をひっくり返してしまった優斗。そのあとに
「やった!やったぁ!」
「すっごく嬉しいっ!!」
大喜びしてくれました。
その顔を見た美和が
(産んで大丈夫よね・・・)
(優斗はきちんとお父さんになってくれるよね・・・)
妊娠を喜んでくれた優斗を見て、安心して泣いてしまいました。
「優斗は父親になれるのか?」
「本当に大丈夫なのかな?」
不安になりつつも、とりあえずひと安心だったストーリーでした。