2014年に劇場公開された「思い出のマーニー」の予告編動画は、こちら
その村の入り江には、「湿っ地屋敷」と呼ばれる 長い間誰も住んでいない洋館があった。
岸辺に着いた杏奈の前に現れたのは、青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。
『思い出のマーニー』は、スタジオ・ジブリが 二人の少女の交流と成長を描いた感動作!
孤独な少女と、謎めいた少女の出会い
主人公は12歳の少女、佐々木杏奈。
杏奈は、幼いころに両親を亡くし孤児となり、優しい義父と義母に引き取られました。
他人に心を開くのが苦手だった杏奈は、徐々に心を病んでいき、喘息を患ってしまいます。
病院に行くと、医師から「休養が必要」と提案された杏奈は、夏休みの間 海辺の田舎町に住む叔母夫婦のもとで休養をすることになりました…その村の入り江には、洋館があった。
「湿っ地屋敷」のマーニー
その村の入り江には、「湿っ地屋敷」と呼ばれる 長い間誰も住んでいない洋館があった。
杏奈は、ボートで屋敷の近くの岸辺にたどり着いたが、そこで待っていたのは 以前夢に出てきた金髪の少女で、彼女の名前はマーニー。
マーニーは なぜか杏奈のことを知っており、杏奈に「友達になりたい」と言います
でも、マーニーにはある秘密が…。
「思い出のマーニー」の原作
二人の少女の出会い…ひと夏の思い出が始まる。
スタジオ・ジブリ作品には珍しく、「思い出のマーニー」には原作があります。
かたくなに心を閉ざした少女・アンナが、海辺の村に住む少女マーニーとの交流を通じて心を開いていく様子が描かれる。
ジブリ・アニメ版では舞台を現代日本に置き換え、主人公のアンナは日本人少女の佐々木杏奈に改変されたが、マーニーの外見は金髪に青い目の白人少女のままである。
『思い出のマーニー』は、スタジオ・ジブリ作品としては初のダブルヒロインの物語。
「思い出のマーニー」のあらすじ
物語の舞台は北海道の美しい湿地帯
札幌に暮らす12歳の内気な少女・杏奈は、悪化する喘息の療養のため、夏の間 は田舎の海辺の村に暮らす親戚の家で生活することになる。
しかし、過去のある出来事から心を閉ざしている杏奈は、村の同世代の子どもたちとも うまくなじむことができない。
そんなある日、村の人々が「湿っ地屋敷」と呼び、長らく誰も住んでいないという湿原の古い洋風のお屋敷で、杏奈は金髪の不思議な少女・マーニーと出会い、秘密の友だちになるが…村人は誰も、マーニーのことは知らないのでした?
謎の少女・マーニーは本当に存在したのか?
後半は怒涛の展開でマーニーは何者なのか?というミステリーとしての面白さもあります。
クライマックスに描かれた マーニーが杏奈に別れを告げるシーンは、杏奈の中の心象風景として観ることができます。
本作は作者の幻想や主人公の空想を描いたファンタジー作品なので、個人が抱いていた想像の世界観が描かれることがあります。
やがて消えてしまった金髪のマーニーは、本当に存在していたのでしょうか?
それとも杏奈が作り上げた “イマジナリーフレンド” だったのでしょうか?
この現象は、人間関係に悩みを抱える子供に多い現象とされており、杏奈に関してもイマジナリーフレンドに類似した空想により、マーニーと遭遇していたのかもしれません。
しかし、杏奈が遭遇したマーニーは勝手に作り上げた想像の産物ではなく、老婦人の久子が語る晩年のマーニーの姿の中に、杏奈を引き取った彼女が自身の体験を語っていたシーンが描かれています。
この時に体験したエピソードが、杏奈の頭の中に残っていたのかもしれません。
そしてマーニーと接していく過程で過去のトラウマを克服し、杏奈の心の再生を描いている意図があり、マーニーがいなくても現実世界を生きていけるようになった杏奈は 自然と、マーニーの幻から離れていくわけです… “わたしたちのことは秘密よ、永久に” と。
声優キャスト
杏奈:高月彩良、マーニー:有村架純、頼子:松嶋菜々子、大岩清正:寺島進、大岩セツ:根岸季衣、老婦人:森山良子、久子:黒木瞳、彩香:杉咲花などが出演。
長編アニメ映画賞にノミネート
監督は『借りぐらしのアリエッティ』で初デビューした米林宏昌の第2作目。
原作の舞台はイギリスでしたが、舞台を日本の北海道に改変し、実在する町の風景をリアルに描き、その美しさが反響を呼びました。第88回アカデミー賞では、長編アニメ映画賞にノミネート。
温かい気持ちになる、感動のファンタジー
本作はファンタジーながら、ちょっぴりミステリアスなところが魅力的!
人の心の再生が繊細に描かれながらも、家族の絆と愛を教えてくれる、いいお話です。
”ヒグラシが泣く夏の夕暮れ” ”思い出の夏” …夏が来れば思い出す『思い出のマーニー』。
作品情報
製作国:日本
監督: 米林宏昌
上映時間:103分
劇場公開日:2014年7月19日
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